「ああ、わかりました」時田浅子は急いで藤原時央の手を引いて外に出た。
彼女が費やした時間は、すべて母親の治療のための時間だった。
朝、彼女が来たとき、看護師から母親がまだ何も食べられず、熱も下がらないこと、そして昨夜も咳が止まらなかったと聞いた!
彼女はどれほど今この瞬間、母の側にいて、自ら母の世話をしたいと思っていることか。
藤原時央は時田浅子の肩に手を置いた。「心配しないで、お母さんの病状は徐々に良くなるよ」
時田浅子は藤原時央を見つめ、複雑な思いに包まれた。
「宮本凪と斉藤若春が一緒にいるのを見たとき、どんな気持ちだった?」藤原時央はさらに質問した。
「斉藤若春がしたことはすべてあなたのためよ。彼女はあなたをそれほど愛している。あなたはどんな気持ち?」時田浅子は反問した。