第533章:浅子、あなたの心は本当に大きい

「彼がいつ金沢に戻ってきたのか、私は全部知っているのに、あなたは知らないの?彼に片思いしてる、憧れてるって言ってたけど、それがあなたの愛し方?あなたの心はずいぶん大きいのね」

藤原時央の視線が彼女に落ち、さらに付け加えた。「確かにとても大きいね」

時田浅子はすぐに怒りがこみ上げ、彼をにらみつけた。

布団を引っ張り上げて頭からかぶり、ベッドに倒れ込んだ。

「眠いわ、おやすみ」

藤原時央は時田浅子の隣に横たわり、肘をついて、もう一方の手を彼女の腰に置いた。

「浅子、君の心は固く閉ざされていて、誰も入れていない。でも信じているよ、君の心は柔らかくて、いつか必ず僕のものになる」

「ならないわ!私は誰の男も愛さない!自ら縛られるようなことはしない!」時田浅子は布団越しに反論した。