その汗の滴が彼女の顔に落ち、濃厚な香りを放ち、まるで50年熟成された純粋な酒のように、彼女を何度も酔わせた!
時田浅子の手から本が落ちてしまい、この小さな物音に藤原時央はゆっくりと振り返った。
時田浅子が急いで本を拾い上げ、視線を本に落としているのを見た。
彼は思わず笑い、ベッドの端に座って時田浅子に近づいた。
「こんな遅くまで、まだ勉強しているの?」
「うん、これは専門知識だから、もっと復習しておきたくて」
「どんな専門知識が、逆さまに読む必要があるんだい?」藤原時央は笑いながら尋ねた。
時田浅子は本を一瞥し、その時初めて気づいた。彼女が先ほど本を拾った時、逆さまに持っていたのだ!
この瞬間、恥ずかしさで穴があったら入りたいほどだった!
彼女は本を正しい向きに戻したが、今は読む気持ちどころか、さっきまで頭に入っていた内容さえも、彼女の脳から追い出されていた!