その汗の滴が彼女の顔に落ち、濃厚な香りを放ち、まるで50年熟成された純粋な酒のように、彼女を何度も酔わせた!
時田浅子の手から本が落ちてしまい、この小さな物音に藤原時央はゆっくりと振り返った。
時田浅子が急いで本を拾い上げ、視線を本に落としているのを見た。
彼は思わず笑い、ベッドの端に座って時田浅子に近づいた。
「こんな遅くまで、まだ勉強しているの?」
「うん、これは専門知識だから、もっと復習しておきたくて」
「どんな専門知識が、逆さまに読む必要があるんだい?」藤原時央は笑いながら尋ねた。
時田浅子は本を一瞥し、その時初めて気づいた。彼女が先ほど本を拾った時、逆さまに持っていたのだ!
この瞬間、恥ずかしさで穴があったら入りたいほどだった!
彼女は本を正しい向きに戻したが、今は読む気持ちどころか、さっきまで頭に入っていた内容さえも、彼女の脳から追い出されていた!
「それで、さっきは本を見ていたの?それとも私を?」藤原時央がまた尋ねた。
「も、もちろん本よ」時田浅子はどもりながら答えた。
藤原時央の笑みはさらに深くなった。
この小さな生き物が、現行犯で捕まった姿は本当に可愛らしかった。
しかし、彼の水シャワーは無駄になってしまった。
藤原時央は自分の衝動を抑えていた。
なぜなら彼女が言うには、彼が彼女と一緒にいると、あのこと以外何もすることがないみたいだと、まるで大きな不満を持っているかのように。
だから、今日は試してみることにした。
彼女と、あのこと以外のことをする。
時田浅子は少し緊張して後ろに下がった。彼女は感じていた、今日の藤原時央はどこか違うようだと。
彼はただ静かに彼女の前に座っていた。
「浅子、一つ質問したいんだ」
「何?」
「君が宮本凪にストレス反応を示すのは、彼を受け入れられないからなのかな?」
時田浅子はすぐにこの質問に答えなかった。
おそらく子供の頃、彼女は宮本凪にとても依存していたが、大人になった今、もうそのような感情はなくなっていた。特に宮本凪に再会した時、それは子供の頃の多くの記憶を呼び起こした。
しかし、もし彼女が宮本凪の彼女になり、宮本凪と恋愛関係になるとしたら、彼女の心の中では拒絶感があった。
「そうよ」彼女はゆっくりと口を開いた。