数人の影がこの方向に歩いてきた。みな五十代を過ぎた男性で、中には髪の毛がすっかり抜け落ち、大きなお腹を突き出している者もいて、一目見ただけで油っこさを感じさせた。
しかし、彼らは皆高級ブランドに身を包み、見たところ、裕福か権力のある人物のようだった。
時田浅子はここに初めて来たが、ここが普通の金持ちが簡単に入れる場所ではないと感じた。
話していた人物は、この一団の中で先頭に立っていた人物だった。
言い終わると、彼の視線は時田浅子の体を上から下まで舐めるように見回した。
時田浅子はその視線に非常に居心地の悪さを感じ、藤原時央の背後に隠れるように下がった。
「おや、これは藤原社長ではありませんか?ここでお会いするとは思いませんでした、光栄です!」その男はすぐに藤原時央に近づき、手を差し出した。