時田浅子が振り向くと、白沢陸がゴルフカートを運転して彼女たちの方へ向かってくるのが見えた。
白沢陸は車を運転しながら、心の中で不満を抱いていた。
藤原若旦那は浅子を呼び戻したいくせに、自分では来ない!そして彼に行くように命じる。
ゴルフ場に彼を忘れ去っていたくせに、浅子と宮本凪が一緒にいるとすぐに彼のことを思い出した!
ひどすぎる!
「浅子、ちょうど一杯飲みに行こうと思ってたところだよ。ちょうど君を見かけたから、乗せていこうか?」白沢陸は笑顔で時田浅子に尋ねた。
時田浅子と宮本凪の話もほぼ終わっていたし、これ以上いても気まずいだけだった。彼女は白沢陸に頷いた。
「ちょうど私たちもそっちに行くところだったから、便乗させてもらうわ」
「乗って!」白沢陸は二人に手を振った。