「うん、お母さんに会いに行きたいって急いでるのは分かってるから、早めに帰ってきて、一緒に行こうと思って」
時田浅子の心に温かさが広がった。
「あなたはとても忙しいのに、安藤叔父さんに送ってもらえばいいのよ。わざわざ戻ってくる必要なんてないわ」
「母さんは、俺たちが一緒に行くのを見たいと思ってるはずだよ」
時田浅子は反論できず、藤原時央の後に続いて外に出た。
藤原時央は車を発進させ、病院の方向へ向かった。
病院に着くと、時田浅子と藤原時央はまず病室で待っていた。
以前、時田秋染が入院していたのと同じVIP病室だった。
時田浅子は心配そうに入口の方を見ながら、「さっき看護師さんから連絡があったのに、もう10分以上経ってるのに、お母さんがまだ病室に来ないわね?」
藤原時央は前に歩み寄って彼女の手を握り、「焦らないで、すぐに会えるから」