第561章:藤原さまの生活、依然として水深火熱

時田浅子は少し呆然としていた。彼女は藤原時央の言っていることが全く理解できなかった。「これは願いカードなの?取っても尽きず、使っても尽きない?」

「お金に関しては、魔法のランプに願うよりも私に願う方が効果的かもしれないね」

時田浅子:……

彼女には反論のしようがなかった。

なぜなら、それは事実だったから。

確かに、藤原時央は三年間昏睡状態だったため、資産は大幅に減少したが、それでも十分に裕福だった。

「これは制限のないATMだと思ってくれていい。使いたいと思えば、いつでも引き出せる」藤原時央はカードを彼女のバッグに戻した。

「一枚のカードに、何を見るというんだ?」

時田浅子はようやく理解した。「これって、噂の限度額なしのブラックカードでしょ?」

「そうだ」藤原時央はうなずいた。

時田浅子は急いでカードを取り出した。「それなら受け取れません」

藤原時央は眉間にしわを寄せた。彼は知っていた、彼女が拒否することを。

「このカードは君の名義だ。もし要らないなら、君自身が銀行に行って解約しなければならない」

「作る時はこんなに面倒じゃなかったでしょ?私の同意もなしに作れたのに、なぜ解約は私が直接行かなきゃいけないの?」時田浅子は反論した。

「仕方ない、そういう規則なんだ」

「どこの銀行?住所を教えて」

「住所を君の携帯に送るよ」藤原時央は送信を終えると、思わず口元が緩んだ。

時田浅子は急いで携帯を開いた。地図を見ると、藤原時央が送ってきた住所は、なんと地球の半分も離れた場所だった!

エレベーターのドアが開き、藤原時央は時田浅子の手を引いてエレベーターを出た。

「カードは持っておきなさい。使いたくなければ、使わなければいいだけだ」

時田浅子は、このカードはもう返せないと感じた。

部屋に入るとすぐに、藤原時央は時田浅子をドアの後ろに押し付け、指で彼女の柔らかい髪をすくい上げ、彼女の唇にキスをした。

「ショッピングも結構楽しいものだね」藤原時央は感慨深げに言った。「これからは、もっと一緒に買い物に行こう。買い物だけじゃなく、せっかくの夏休みだし、ハネムーン旅行を補填しないか?」

時田浅子は困惑した表情で彼を見た。「どこからハネムーン旅行が出てくるの?私たち離婚届も出したのに」

藤原時央は言葉に詰まった。