第573章：狐狸の尻尾がついに現れた

「時田浅子、これは私と宮本凪の間の問題だ。あなたがどうして意見を述べる権利があるの？あなたには宮本凪の代わりに決める資格があるの？」

「彼女にはある！」宮本凪は直接反論した。

林清子は再び口を閉ざし、椅子にどっかりと座った。

林聡明は眉をひそめた。どうやら、結婚と子供で宮本凪を縛り付けるのは不可能なようだ。

幸い、彼にはまだ第二の選択肢があった。

彼は深いため息をついて、ゆっくりと口を開いた。「無理に結ばれた縁は長続きしない。結婚は互いの気持ちが大切だ。そうでなければ、一緒になっても幸せにはなれない。そういうことなら、宮本凪が私の条件に同意してくれれば、清子に子供を堕ろさせよう。清子への少しばかりの補償としてね。」

林清子はこの言葉を聞いて、驚愕の表情で林聡明を見つめた。

彼らが話し合ったのはこんなことではなかったはずだ！

本当は、彼らの計画は子供で宮本凪を縛り付け、彼に自分と結婚させることだったのに！

もし彼女が子供を堕ろしたら、宮本凪との関係はさらに不可能になる！

時田浅子の唇の端がわずかに上がった。

ようやく狐の尻尾が見えてきた。

これから林聡明が言うことこそ、今日彼が来た本当の目的なのだろう！

「どんな条件だ？」宮本凪はすぐに尋ねた。

彼はこの問題を即座に解決し、これ以降林清子とは一切関わりを持ちたくなかった。

「以前、あなたが私に投資の話をしていたよね。その協力を続けよう。いくら投資してほしくても構わない。得られる利益は五分五分で分けよう。」林聡明は自分の考えを述べた。

時田浅子は突然手を上げて、林聡明に拍手を送った。

「なんて素晴らしい算段でしょう！まさに耳を疑うほどですね！」

時田浅子の皮肉に、林聡明の顔色は一瞬で豚の肝臓のような色に変わった。

「宮本凪、これは罠よ。この父娘は手を組んであなたを騙そうとしているの。絶対に騙されないで！彼らの本心はもう明らかになったわ。これからのことは、あなた自身で対処してね。」時田浅子はそう言うと、テーブルの上のバッグを手に取り、立ち去ろうとした。

芝居はもう見終わったのだ。

やはり、厚かましい人間は、いつでもあなたの想像の下限を更新してくれる。

時田浅子がドアを開けようとした瞬間、林聡明が彼女の手首をつかみ、彼女に向かって手を上げた。