『天籟の饗宴』第二回の撮影が予定通り準備され、撮影場所は前回と同じ会場だった。
時田浅子と森山緑が番組の収録に参加した。
今回の進級も前回の仕組みを継続し、次回は直接生放送の形式で行われ、さらにネット投票も開設される予定だ。
時田浅子が車に乗って撮影現場に到着した時、突然群衆の中に整然と並んだ一団を見つけた。彼女たちは横断幕を掲げていた。
そこには「浅子、あなたと一緒に星河を抱きしめる!」と書かれていた。
他にも多くのファンが手作りのポスターを持って時田浅子を応援していた。
「緑ねえさん、どうしてこんなに人がいるの?」時田浅子は驚いた表情で尋ねた。
森山緑は体を傾けて車の窓の外を覗き込んだ。「浅子、今あなたにどれだけのファンがいるか考えてみて?」
「私にどれだけのファンがいるの?」時田浅子は本当に知らなかった。
「ショート動画プラットフォームだけでも、もうすぐ2000万人に達するわ。他のプラットフォームも運営を始めたばかりだけど、ファンは急速に増えているわ」
「2000万人!」時田浅子は夢にも思わなかった、いつか自分が2000万人のファンを持つ日が来るなんて。
「緑ねえさん、私どうすればいいの?彼女たちに挨拶した方がいい?」時田浅子は少し慌てて尋ねた。
「いいえ、もし挨拶したら、ファンたちは必ず興奮してしまうわ。そうなると、メディアに撮られたら良くないわ。今は控えめにしておきましょう」森山緑は静かに注意した。
「こんなに暑い日に、彼女たちがここに立っているなんてきっと大変だわ。緑ねえさん、私たちが中に入ったら彼女たちは帰るの?」時田浅子は少し心配していた。これらは皆、彼女を好きな人たちなのだから。
「そうよ、彼女たちはあなたがどの車に乗っているか分からないから、全ての車が入ったら、帰るでしょう」
「スタッフに頼んで、彼女たちに暑さ対策の飲み物を用意してもらえない?その費用は私が出すわ」
「わかったわ、手配させるわ」
時田浅子はようやく安心した。
車から降りるとすぐに、時田浅子はスタッフに案内されてメイクルームへ向かった。
桃はすぐに時田浅子のメイクを始め、森山緑は外に出て時田浅子が頼んだことを自ら手配した。
今回は、金恵のような選手もおらず、わざと時田浅子に嫌がらせをする人もいなかったため、準備作業は非常にスムーズだった。