第598章：人が自滅したがるなら、引き止めることもできない

「そう考えるのも正しいわね。この子を産んだとしても、子供に完全な家庭を与えることはできないし、その上、父親も認めないなんて、子供にとってもとても不公平で残酷なことよ。私にはいい考えがあるわ。あなたが望むなら、時田浅子を社会的に抹殺することができるわよ！」

「どんな考え？」林清子は急いで尋ねた。

「少しリスクを冒さなければならないけど、やっぱりやめておきましょうか！」斉藤若春はわざと林清子の気を引くように言った。

林清子は斉藤若春の手を握り返して、「若春、私たちは友達でしょう、助けてよ。それに、あなたも時田浅子が社会的に抹殺されるのを望んでいるんじゃないの？藤原時央に彼女の本当の姿を見せて、情け容赦なく彼女を捨てさせて、あなたが再び藤原時央の心を取り戻せるように！」

「私が言いたいのは、どうせこの子を守れないなら、時田浅子の手で台無しにさせたらどうかってこと。このことが一度暴露されれば、時田浅子は間違いなく社会的に抹殺されるわ。さらに、故意に人を傷つけた罪名まで背負うことになるかもしれない。もちろん、これはすべてあなたがどう行動するかにかかっているけど。」

林清子はこれを聞いて、心の中で動揺し始めた！

「私が少しリスクを冒したところで何なのよ。たとえ怪我をしても、時田浅子を刑務所に送れるなら、何でもするわ！私の母も彼女のせいで刑務所に入ったのよ！」林清子はこっそり両手を握りしめた。

「決心したなら、今日私と一緒に帝都に戻りましょう。宮本凪があなたを見つけたら、チャンスはなくなるわ。」斉藤若春はすぐに提案した。

「いいわ！」林清子はすぐに頷いた。

斉藤若春は電話をかけ、二人分の航空券を予約してもらった。

食事を終えると、二人は空港へ急いだ。

待合室に着くと、林清子の電話が鳴り始めた。

見知らぬ番号からの着信だった。

彼女は宮本凪の電話番号をブロックしていたが、この電話が宮本凪からかどうか確信が持てなかった。

3秒ほど迷った後、彼女は通話ボタンを押した。

「林清子、宮本凪だ。」電話から冷たく硬い声が聞こえた。

「何のために電話してきたの？」林清子は問い返した。

「どこにいる？ちゃんと話し合おう。」

林清子は電話を置き、録音ボタンを押した。