林清子は斉藤若春との約束の場所に着くと、鏡を取り出して化粧を直し、自分の顔色が少し元気に見えるようにした。
個室のドアを開けると、斉藤若春はすでに中にいた。
「清子!」斉藤若春は笑顔で林清子に挨拶した。
「若春、どうして雲都に来たの?」
「雲都でちょうどプロジェクトが始まったから、出張で来たの。午後には帰るけど、あなたと食事でもしようと思って。雲都では他に知り合いもいないし、迷惑じゃなかった?」
「もちろん迷惑なんかじゃないわ。あなたから誘ってくれて本当に嬉しいわ!今日は私がおごるわ」林清子はバッグを置き、斉藤若春の隣に座った。
斉藤若春の視線が林清子のお腹に落ち、目に惜しむような色が浮かんだ。
その表情は、すぐに林清子を刺激した。
林清子は思わず自分のお腹に手を当てた。ちょうどその時、子供が彼女のお腹の中で動いた。