第629章：団団が出産を促す主力軍に

「大丈夫よ、彼にもっと走らせて、さっき食べたお菓子のカロリーを消費させましょう」中村佳奈恵は時田浅子を慰めた。

「団団は本当に言うことを聞くわね。一袋だけ食べるって言ったら、本当に一袋だけ。私たちが食べているのを見ても、おねだりしないし」

「その点はとても良い子ね」中村佳奈恵はキャンディーを食べながら頷いた。「浅子、一人産むことは考えてる？」

「私？」時田浅子の顔が一瞬で赤くなった。

「あなたと時央の子供はきっと綺麗よ」中村佳奈恵はすでに想像し始めていた。「もし男の子を産んだら、団団に弟を守らせて、もし女の子だったら、わぁ！うちの団団にお嫁さんができるわ！」

「お嫁さん？」団団は振り返ってママを見た。「ママ、お嫁さんって何？」

「ママとパパ、お姉ちゃんと藤田叔父様みたいなの。ママはパパのお嫁さんで、お姉ちゃんは藤田叔父様のお嫁さん。将来、藤田叔父様とお姉ちゃんが女の子を産んだら、団団のお嫁さんにするのはどう？」

「うん！団団はお嫁さんが欲しい！お姉ちゃんはいつ団団にお嫁さんを産んでくれるの？」団団はすぐに大きな目を開いて、期待に満ちた眼差しで時田浅子を見つめた。

時田浅子の顔はさらに赤くなった。

「明日にはできるの？」団団はすでに待ちきれない様子だった。

「そ...そんなに早くはないわ」時田浅子はもごもごと答えた。

「じゃあ、どれくらいかかるの？」

「それは、それは藤田叔父様に聞かないと」時田浅子は質問を藤原時央に押し付けた。

団団はようやく根掘り葉掘り聞くのをやめたが、小さな頭の中には大きな考えがあった。

「ご飯ができたよ、食べる準備をして！」白沢清志はキッチンから出てきて、リビングに向かって声をかけた。

時田浅子はそこに座って、中村佳奈恵と団団の二人がお菓子の袋をすべてゴミ箱に入れる様子を見ていた。この息の合い方は絶対に一日二日で訓練できるものではなかった。

「二人とも何をしているの？」白沢清志はついに気づいた。

藤原時央もキッチンから出てきた。時田浅子はまだ食べ終わっておらず、手にはまだお菓子の袋を抱えていた。

団団と中村佳奈恵もそれに気づいた。

母子二人の顔には後悔の色が浮かんでいた。

浅子のことを忘れていた。

以前はいつも二人で現場を片付けていたのに。