第656章:遅れてきた復讐

林聡明は調べたくないわけではなく、調べる勇気がなかった。

彼は調べることで、これらの事だけでなく、彼が受け入れられない、あるいは直面したくないさらなる事実が明らかになることを恐れていた。

突然、林聡明のスマホが鳴った。友達申請の通知で、時田秋染からのものだった。

彼の指が少し震えた。

しかし、結局その申請を受け入れた。

斉藤愛梨もそれを見て、「聡明、時田秋染があなたを追加したの?なぜ彼女があなたを追加するの?」と尋ねた。

林聡明は彼女に答えず、スマホを見つめていた。

時田秋染は数枚の写真を送ってきた。

これらの写真は少し黄ばんでおり、非常に古く見えたが、写っている人物ははっきりと見えた。

写真に写っていたのは、まさに斉藤愛梨だった!

そしてもう一人の男性は、なんと山田広利だった!

山田広利の片手が親しげに斉藤愛梨の腰に回されていた。

林聡明の表情は一瞬で暗くなった。

斉藤愛梨は林聡明のスマホに何が表示されているのか見ることができなかったが、彼の表情を見るだけで良くないことだと感じた。

林聡明は別の写真を開いた。

もし最初の写真が偶然のものだとしても、一枚の写真だけで斉藤愛梨と山田広利に不倫関係があると証明できないとしても、次の写真は十分な証拠になった!

山田広利と斉藤愛梨がキスをしていた!

二人の背後には公園の石像があり、この公園は林聡明がよく知っている場所だった。彼はまさにここで斉藤愛梨と再会したのだ!

写真には日付も写っており、その日付を見た林聡明の頭は衝撃で鳴った!

それは斉藤愛梨が彼と付き合った後の日付だった。

彼は信じられなかった。斉藤愛梨が彼と付き合った後に山田広利と関係を持ったのではなく、彼女が彼と付き合う前から山田広利を知っていたのだ!

なぜなら、山田広利は斉藤愛梨が彼に紹介した人物だったからだ。

彼はさらに次の写真を開いた。

その中の一枚は、なんと斉藤愛梨がお腹の大きい時に撮られたものだった。

山田広利が斉藤愛梨と一緒に産婦人科検診に行っていた!

その後の写真では、斉藤愛梨が林清子を連れて山田広利とデートしており、三人はまるで本当の家族のように見えた!

「聡明」斉藤愛梨がもう一度呼びかけた。

林聡明は彼女に応じず、まだスマホを見つめていた。

「面会時間が終わりました!」係員が注意した。