第645章:林聡明、藤原家の本邸に侵入する

時田浅子はまた手を伸ばして団団の口を塞ごうとした。

団団はさらに素早く、頭を時田浅子の腕の下からくぐり抜けた。「おばあちゃん、僕は叔父さんとお姉ちゃんが赤ちゃんを作るのを監督するんだ!」

時田浅子:……

「本当なの?」時田秋染は驚いた顔をした。

「うん!お姉ちゃんが赤ちゃんを産んだら、団団のお嫁さんにするんだ。」

時田秋染は思わず団団の頭を撫でた。「いいわよ、頑張ってね!」

「団団、頑張るよ!」

この甘い声が、部屋中の笑いを誘った。

時田浅子だけが血が滴るほど顔を赤らめていた。

地面に穴があったら入りたいくらいだ!

「林さん、入ることはできません!」外から突然安藤さんの声が聞こえた。「林さん、これ以上中に入ることはできません!」

林聡明はまだ前に進み続け、安藤さんの制止を全く気にしていなかった。

部屋の中の人々は皆、安藤さんの声を聞いた。

藤原時央が最初に立ち上がった。「見てくる。」

彼が出ていくとすぐに、林聡明の姿が見えた。

安藤さんは林聡明の服を引っ張り、彼を引きずり出そうとしていたが、藤原時央を見るとすぐに表情が引き締まった。

「藤原若旦那、私の不注意で止められませんでした。」

藤原時央は林聡明に向かって歩き出し、林聡明は思わず二歩後ずさりした。

藤原時央のオーラがあまりにも強すぎて、彼は直接対峙する勇気がなかった。

「藤原若旦那、私は本当に老爺に会いたいことがあるんです。前回あなたが言ったことについては、今手続き中ですし、過去に自分がした間違いも分かっています。時間を見つけて時田お母さんにも会いに行くつもりです。」林聡明はすぐに言った。

「今日は老爺はお客を迎える状態ではない。先に帰りなさい。」藤原時央は冷たく言った。

「では時田浅子はいますか?老爺が都合悪いなら、時田浅子と少し話したいのですが。」林聡明は厚かましく尋ねた。

時田浅子はゆっくりと出てきた。「私に何の用?」

林聡明はすぐに時田浅子に近づいた。「お母さんの最近の様子はどう?」

時田浅子は林聡明の心配そうな言葉を聞いて、胸が悪くなった。

「母がどんな状態かは、あなたに何の関係があるの?ここで偽善を演じて誰を不快にさせようとしているの?」