第673章:報いが来た

かつて、彼はこの三つの言葉が自分の口から出ることは絶対にないと思っていた。

今となっては、それほど難しくもなかった。

時田浅子は彼を呆然と見つめ、目には驚きが満ちていた。

彼女は自分の耳を疑った。

藤原時央は今、彼女にあの三つの言葉を言ったのだろうか。

「今、あなたは……言った……」

「言ったよ、愛してる」藤原時央はもう一度繰り返した。

時田浅子は石になったように藤原時央を見つめていた。

今度は、聞き間違いではなかった。

この三つの言葉が、はっきりと力強く彼の口から発せられた。

藤原時央は身を屈めて彼女にキスをした。

彼は彼女からの返事を求めていなかった。彼女がただ永遠に彼のそばにいてくれるだけで、最高の返事だった。

……

斉藤若春は新製品発表会で起きたすべてのことを知っていた。

林清子は失敗した。藤原時央の介入により、林清子には時田浅子を傷つける機会がまったくなかった。

彼女の元彼がそこにカメラを設置し、当時の状況を撮影していた。

また、彼女の手元にこのようなビデオがあることを誰も知らなかった。

しかし、このビデオだけでは、何の意味も持たなかった。

林清子はすでに連絡が取れなくなっており、間違いなく藤原時央に捕まっているのだろう。

斉藤若春は怒りを込めてパソコンの画面を閉じ、立ち上がってバルコニーの方へ歩いていった。

彼女は手近にあったワイングラスを手に取り、中の酒を一気に飲み干した。

「このことは絶対にこのままにはしておけない!」

「時田浅子、あなたはこれで逃げ切れたと思っているの?私はあなたを許さないわ!」斉藤若春は憎々しげに言った。

彼女は幼い頃から、自分が欲しいものは手段を選ばずに手に入れることを知っていた。

まして自分の好きな男性なら、簡単に人に譲るわけがない!

……

帝都のある私立療養院内で、林清子は個室に入れられていた。

この部屋は特殊な患者のために用意されたもので、ドアや窓には何重もの鍵がかけられ、スタッフでさえ二人一組でなければこの部屋に入ることができなかった。

部屋の中の用品はすべて白色で、林清子の身に着けている服も純白に変えられていた。

このような世界にいることは、人の精神に言い表せない苦痛を与える。

林清子は恐怖で体を丸めていた。