第695章:徹底に追い詰める

「はい、奥様。」鈴木真弦は振り返って退出した。

しばらくすると、金田弁護士と鈴木真弦が一緒に入ってきた。彼の手には書類が一部握られていた。

時田浅子が口を開く前に、金田弁護士は林聡明の方へ歩み寄った。

「林さん、こんにちは。この書類をご覧ください。あなた名義の清瀬通りの不動産を10日以内に時田秋染さんの名義に変更していただくことと、さらに時田秋染さんに360万元をお支払いいただくことになっています。これらはすべて、当時のあなたがたの離婚時に計算されたもので、離婚時に時田秋染さんに渡すべき財産分与の金額です。」

林聡明は、会社の株式が時田浅子と時田秋染に大部分取られたことで、この件は終わったと思っていた。

まさか、時田浅子がさらに彼を追い詰めようとするとは思わなかった!

「浅子、お前も知っているだろう、お父さんは今住む場所がここしかないんだ。家を取り上げたら、お父さんはどこに住めばいいんだ?どう考えても、私はお前の父親だぞ。」林聡明は厚かましく言った。

「父親?あなたが林清子を大切にしていた時、あなたが私の父親でもあることを考えたことがあった?あなたは林清子を幼稚園に送り、彼女の保護者会に出席したけど、私が何年生かも知らなかった。あの時、あなたは自分が私の父親だということを考えたことがあった?」

時田浅子の問いかけに、林聡明は一言も答えられなかった。

彼が斉藤愛梨の本性を知った時、確かに後悔していた。

そして、時田秋染と時田浅子に申し訳ないとも思っていた。

しかし、この瞬間、その罪悪感はすべて消え去った。

時田浅子の攻撃的な態度は、彼の面目を完全に潰してしまった!

彼は、時田浅子の心が石のように冷たいと感じ、これ以上同情を買おうとしても無駄だと悟った。

「これは私とお前の母親の問題だから、私たち二人で解決させてくれないか。」林聡明はまた時田秋染から手を打とうとした。

「林さん、結構です。時田秋染さんはすでにこの件の全権を私に委任されています。何かあれば、直接私とお話しください。」金田弁護士が言葉を引き継いだ。

林聡明は言葉に詰まった。