024 対峙

島田香織は家に帰ると、ソファーにだらしなく横たわってゲームをしていた。奈奈さんが手際よく片付けをしているのを見て、「奈奈さん、あなたもずっと忙しかったでしょう。早く座って休んでください!」と言った。

「島田社長、私は疲れていませんよ!」奈奈さんは興奮して頬を赤らめ、島田香織を崇拝するような目で見つめた。

島田香織は奈奈さんを見て、笑いながら言った。「なぜそんな目で見るんですか?奈奈さん、私のことを島田社長なんて呼ばないで、前のように香織って呼んでください。」

奈奈さんの心臓の鼓動は更に速くなり、まるで浮き立つような気分で、恐縮しながら言った。「香織、今のあなたの広告料は決めにくいんですが、私は一線級の女優さんと同じ価格設定にしようと思うんですが、どうでしょうか?」

島田香織は笑顔で頷き、「いいですよ」と答えた。

お金持ちのスポンサーがもっと増えてもいい。

島田香織にとって、広告の仕事を引き受けるのは知名度を上げるためだけだった。より良い作品に出演するためには、より価値のある存在になる必要があり、将来的には世界進出もしやすくなると分かっていた。

話している間に、奈奈さんに電話がかかってきた。化粧品会社からの電話だと分かり、島田香織に簡単に説明してから出て行った。

奈奈さんを見送った後、島田香織は午後いっぱいだらだらとゲームをし、夕方になって陣内美念が夕食を持ってきた。

「物は用意しておいたよ」陣内美念は島田香織が前に頼んでいた媚薬を渡しながら、笑って尋ねた。「今、警察が彼女を追い詰めているのに、こんなことをするのは危険じゃない?」

「藤原昭子が捕まると思う?」島田香織は手際よく媚薬をしまい、顔を上げて陣内美念を見つめながら笑って尋ねた。

陣内美念は首を振って言った。「藤原家は彼女を刑務所に入れるわけがない。きっと身代わりを立てるはずよ!」

「そうでしょう。だからこそ、藤原昭子が最も得意げな時に仕掛けないとね。」島田香織がそう言っていると、スマートフォンにメッセージが届いた。メッセージを見て満足げに言った。「藤原昭子が明日の夜、ナイトメロディーカラオケで親友たちと祝杯を上げるそうよ。」