025 心理異常？

島田香織は藤原昭子の言葉を聞いて、笑いながら携帯を取り出し、「110」を押したが、すぐには発信しなかった。

「交通事故の被害者として、警察に事故の背後にいる黒幕が誰なのか、しっかり調べてもらう必要があると思います」島田香織は唇の端を少し上げ、携帯を振りながら、楽しそうに言った。

藤原昭子は冷や汗を流し、必死に体を起こそうとしたが、体内の熱さに耐えられず、壁に寄りかかってようやく倒れずに済んだ。

「警察を呼ぶな！お前、恥知らず！」藤原昭子は燃えるような目で島田香織を睨みつけ、その場で八つ裂きにしたいほどだった。

「藤原さん、お褒めに預かり光栄です。私なんて、あなたに比べたら遠く及びませんよ！」島田香織は遠慮なく言い返し、顔の笑みはさらに輝いた。携帯をしまいながら、「だって藤原さんは人命を軽視するんですから」

藤原航は冷たい表情で藤原昭子を後ろに庇い、薄い唇を開いて、「島田香織、お前は度が過ぎる！」

島田香織は恐れることなく藤原航の視線を受け止め、淡く笑って言った。「ええ、私は度が過ぎます。でも藤原家は死人まで虐げるんですよ！」

藤原航は眉をしかめ、横で服を引き裂こうとしている藤原昭子を厳しい表情で見つめた。

藤原昭子は目がうつろで、服を乱暴に引き裂いていた。暑い、本当に暑くて、こんなに服を着ていたくない、暑くて死にそうだった。

藤原航もここにいられず、藤原昭子を抱き上げ、傍らの渡辺家の六男に言った。「あの二人も病院に送らせてくれ」

渡辺家の六男は手際よく返事をし、中へ歩いていって、さっと二人の女性を気絶させ、ボディーガードに病院へ運ばせた。

陣内美念は藤原昭子がこの一件を逃れたのを見て、不満そうに唇を尖らせ、小声で言った。「最初から藤原航の足止めをしておけばよかった。残念、藤原昭子が男に泣きつく姿が見られなかった」

島田香織も非常に残念に思い、今日は少し計画通りにいかなかったと感じながら言った。「まあいいわ、薬を飲まされた彼女も楽じゃないでしょう。後で苦労した二人の親友に謝礼を送りましょう」

島田香織は眉をしかめた。藤原昭子が自分の世界から消えてくれればいいのに。さもなければ、容赦しないわよ！

藤原家病院。