034 逆転劇？

島田香織の核心的な考えを一言で要約すると：辞めたい人は違約金を払えば良いし、残りたい人は残れば良い。スターキングエンタテインメントは決して彼らを粗末に扱わない。

会議室内。

この時、会議室は針が落ちる音さえ聞こえるほど静かで、全員が上座に座る島田香織を黙って見つめていた。

島田香織は落ち着いた表情で自分の考えを述べた。社内人員の処遇については、引き留めも追い出しもせず、全て本人の意思に任せるというものだった。

映画館チェーンの件については、島田香織は3日以内に必ず解決すると断言した。

この会議は島田香織による会社の状況と解決策の一方的な発表だった。

会議はすぐに終わり、社内の各種WeChatグループは大騒ぎとなった。

社内の人々は島田香織の意図を理解し、一同驚きを隠せなかった。

彼らは元々この機会に会社からより多くの利益を引き出そうと考えていたが、島田香織の現在の態度に迷いが生じていた。

スターキングエンタテインメント株式会社がわずか5年で全国に足場を固められたのは、その実力が侮れないからだ。今は全国の映画館チェーンから締め出されているが、芸能界は利益優先の世界。状況が好転する可能性もある。

大多数の人々は静観する中、ごく少数の人々だけが退職を申し出た。

さらに2日が過ぎ、島田香織はいつも通り会社に向かった。

彼女がオフィスに着くと、奈奈さんが花束を持って来て、笑顔で言った。「島田部長、これは渡辺家の六男からのお花です。」

渡辺家の六男はどういうつもり？

島田香織はバラの花を一瞥し、「あなたにあげるわ」と言った。

奈奈さんが驚いて立ち尽くしたまま何か言おうとした時、突然携帯が鳴った。

「はい、どちら様でしょうか？」奈奈さんは携帯を手に取り、礼儀正しく笑顔で尋ねた。

「こんにちは、東映シネマの総支配人の鈴村明弘と申します。弊社は貴社と提携させていただきたく、『スターロード』の上映権をお譲りいただけないでしょうか？」

奈奈さんは島田香織を見つめた。彼女の心は大きな衝撃を受けていた。

全国のほとんどの映画館チェーンがスターキングエンタテインメントとの提携を拒否している中、島田お嬢様はここ2日間毎日会社に来て指揮を執るだけで、他には何もせずに最大手の東映シネマの態度を変えさせたのだ。