「値段?」島田香織は足を下ろして笑いながら、体を少し前に傾け、ずる賢い表情で藤原おじいさんを見つめて尋ねた。「私の会社はいくらの価値があると思いますか?」
藤原おじいさんは一瞬戸惑った。スターキングエンタテインメントは新しい芸能事務所だが、所属タレントの演技力は素晴らしく、会社の作品は全て高品質で、少なくとも数百億円の価値はある!
「藤原家はお金持ちですよね」島田香織は顔の横の髪を耳の後ろに掻き上げ、藤原おじいさんの表情が良くないのを見て続けた。「こうしましょう。私も欲張りませんから、スターキングエンタテインメントの100倍の価値をくれれば良いです」
お金を断るのは馬鹿者だ。島田香織がお金を拒むはずがない。
藤原おじいさんは怒りで髭を震わせ、目を見開いて荒い息を吐きながら黙り込み、杖を握る手に更に力を込めた。