島田香織は一瞬固まり、顔を上げて奈奈さんを見つめた。自分の耳を疑ったが、奈奈さんの真剣な表情を見て、聞き間違いではないと分かった。
「暇なんかないわ!」島田香織は眉をひそめ、続けて言った。「これからは彼に関することは、あなたたちで処理して。私に言う必要はないわ!」
「でも……」奈奈さんは少し躊躇したが、最後には承諾した。
島田香織がお昼ご飯をどこで食べようか考えていると、突然スマートフォンが振動した。チラッと見ると、陣内美念から送られてきたスクリーンショットだった。開いてみると、また彼女と藤原航がSNSのトレンドを独占していた。
島田香織が返信する前に、陣内美念から電話がかかってきた。
「香織、昨夜藤原航と一緒だったの?」
陣内美念の焦った声が電話越しに聞こえてきた。