048 運気が悪い

島田香織は藤原おじいさんのホットな話題がネット中で話題になっているのを見て、陣内美念と一緒に日本料理を食べに行くことにした。

料理店に着いた時、藤原昭子と林杏を見かけた瞬間、まるでハエを見るような不快感を覚え、出かける前に暦を見ておけばよかったと後悔した。本当についていない年だと思った。

林杏は島田香織を見た時、不安そうに藤原昭子の後ろに隠れるように身を寄せた。

藤原昭子は、林杏がネットで晒されて以来臆病になっていることを知っていた。それだけでなく、家政婦によると、林杏は悪夢を見て目を覚ますことが多く、そのせいで十分な休息が取れていないとのことだった。

藤原昭子は島田香織が藤原おじいさんを侮辱した件を思い出した。あの時は、ドレスのことばかり考えていて、おじいさんが侮辱されていたことに全く気付いていなかった。

彼女は拳を固く握り締め、冷たい表情で島田香織を見つめながら、歩み寄って言った。「香織さん、おじいさんと義姉さんに謝罪してください!」

林杏は恐る恐る藤原昭子の傍らについて行き、おずおずと島田香織を見つめていた。

島田香織の隣に立っていた陣内美念は思わず笑い出し、「藤原さん、頭がおかしくなったんじゃない?」と言い返した。

島田香織は軽く陣内美念の腕を引っ張り、まだ何も言わないように合図を送った。そして落ち着いた目で藤原昭子を見つめ、「申し訳ありませんが、私は異なる生物種とは謝罪しません」と言った。

「あ、あなた、私たちを人間じゃないって言うの!」藤原昭子は即座に怒りを爆発させ、憎々しげに島田香織を睨みつけた。

島田香織は無邪気な表情で「私は単に事実を述べただけですよ」と言った。

「あなた…」藤原昭子は怒り狂い、テーブルの上の飲み物を見て、反射的に島田香織に向かって掛けようとした。

島田香織は藤原昭子の策略を見抜いていた。藤原昭子は口下手で、恥ずかしさのあまり怒った時は手を出すしかない人だと知っていたので、すぐさま藤原昭子の手首を掴んだ。すると、藤原昭子の手にあったジュースは全て彼女自身の顔にかかってしまった。

ジュースは藤原昭子の巻き毛を伝って滴り落ち、化粧も崩れてしまった。彼女は完全に呆然としており、我に返った時には周りの人々の嘲笑的な視線に気付いた。