122 バカだよね

島田香織はダークグリーンのVネックドレスを着ていた。このドレスはシルク生地で作られ、薄緑のチュールが重ねられており、彼女はタヒチ産のダークグリーンのパールのピアスをつけ、首には同じデザインのパールネックレスをしていたが、このパールは直径が3センチもあった。

このシンプルな装いが、島田香織の雪のように白い肌を一層引き立てていた。

陣内美念は島田香織を見た瞬間、驚きのあまり言葉を失い、感嘆して言った。「香織、ドレス姿が本当に綺麗!」

陣内美念も岡田家からの招待状を受け取っており、島田香織が行くことを知っていたので、簡単な支度をしてきた。安川市の上流社会の人々が島田香織の様子を見たがっているのを知っていたので、彼女は島田香織の護衛をするつもりだった!

陣内美念は今日スカイブルーのドレスを着ていた。彼女は背が高く、美人だったが、今日は島田香織の隣に立つと、まるで引き立て役のようだった。

島田香織と陣内美念が岡田家のパーティーに現れた時、瞬く間に多くの人々の注目を集めた。

「まあ、天女を見たわ。3分以内に彼女の名前と電話番号、住所を知りたいわ」

「僕も!彼女を追いかけて結婚したい。そうしたら人生に悔いはない!」

「この二人のバカ、SNSを見てないのが丸分かりね。彼女は藤原航の妻よ。いや、元妻の島田香織よ」

……

周りの噂話が絶えない中、陣内美念はそれらの話を聞きながら、心の中で目を回し、思わず島田香織に愚痴った。「藤原航と離婚してからずいぶん経つのに、まだ藤原航の妻って言う人がいるのね」

島田香織は平然とした表情で言った。「脳みそ腐ってるんでしょ」

岡田家のパーティーには安川市の有力者が大勢来ており、若い人のほとんどは家族と一緒に来ていた。

藤原昭子は群衆の中に立ち、ワイングラスを手に持って一気に飲み干した。彼女は島田香織が嫌いだったが、祖父の言葉があったので、むやみに島田香織に関わりたくなかった。

そのとき、藤原昭子は鈴村凛が言うのを聞いた。「昭子、島田香織に謝ったって聞いたわ。仲直りしたの?」

藤原昭子は元々島田香織を見るのも嫌だったのに、鈴村凛にそう聞かれて気分が更に悪くなり、冷たい表情で立ち去ろうとした。

鈴村凛は急いで藤原昭子を引き止め、優しく尋ねた。「何かあったの?」