その二人は島田香織が現れるのを見て、一瞬で顔色が青ざめたが、すぐに落ち着きを取り戻した。
島田香織がパトロンを見つけたとしても、それがどうした。彼女たちが島田香織のパトロンの本妻を見つけさえすれば、本妻が出てくれば問題は簡単に解決するはずだ。
「あら、島田お嬢様じゃない」赤いドレスを着たセレブの一人が赤いハイヒールで島田香織の前まで歩み寄り、周りを見回して誰もいないことを確認すると、大胆になって言った。「私たち、大したことは話してなかったわ。ただ島田お嬢様が離婚した後すぐにパトロンを見つけられるなんて、すごい手腕をお持ちだなって思っただけよ」
バルコニーの方にいた黄色いドレスのセレブも近づいてきて、興味深そうに島田香織を見ながら言った。「島田お嬢様、あなたの運の良さには本当に羨ましいわ。どうやってパトロンを見つけたの?私たちにもコツを教えてくれない?」
二人の意地の悪い言い方を聞いて、島田香織は唇の端を少し上げ、笑いながら言った。「あなたたち、誰?私、見たことないわね。招待状で入ってきたの?それとも誰かについて来たの?」
その二人のセレブは自分たちのパトロンについて来ていたのだが、島田香織はそのパトロンのことを少し覚えているだけで、そんなに裕福でもなかった。
「さっきのあなたたちの会話、全部録音してあるわ。私のウェイボーのフォロワーも最近増えてきたから、投稿すれば、あなたたち二人をデビューさせることもできるわよ!」
二人は島田香織がそんなことを言うとは全く予想していなかったようで、顔を赤らめた。
「あ、あなた、よくも!」赤いドレスのセレブが冷たい表情で島田香織を見つめた。
「香織」
島田香織の背後から突然、穏やかな男性の声が聞こえた。振り向かなくても陸田健児だとわかった。
陸田健児は島田香織の傍に来ると、愛情を込めて彼女を見つめ、真剣な眼差しで尋ねた。「彼女たちに何かされたのか?」
島田香織は何も言わず、直接録音を再生した。
「島田香織は本当に囲われているわ。あのドレスは90万円よ。首のルビーだって3000万円以下じゃ手に入らないわ」
「それに付け加えると、アンクレットは限定品で、世界で66本しかないのよ」
……