鈴村秀美の視線は最後に島田香織の顔に落ち、微笑んで褒めた。「香織ちゃん、前より綺麗になったわね」
「私の娘は世界一美しいんだ」江田景は誇らしげに言い、藤原昭子を横目で見ながら、「畜生以下の下劣なことばかり考えている女の子よりずっといいわ」
藤原昭子は顔を真っ赤にして、偶然島田香織の視線に気づき、なぜか心が虚しくなった。
居間に入ると、使用人たちがすぐにお茶を運んできた。島田根治は冷ややかに言った。「お世辞は結構です。結局、私たち二家は何の関係もないのですから。今日来たのは主に清算のためです」
島田根治のこの言葉に、藤原おじいさんの顔色が急変した。
秘族には四大家族があり、その四大家族の筆頭が島田家だった。
島田家は世界的にも有数の家柄で、その地位はイギリス王室にも劣らなかった。