島田香織は苦しくて仕方がなく、意識が時々はっきりしたり、時々ぼんやりしたりしていた。彼女はベッドに弱々しく横たわり、今は気温が低いにもかかわらず、顔が真っ赤になるほど熱くなり、そのまま気を失ってしまった。
藤原航は冷水を浴び続け、徐々に意識が戻ってきた。完全に目が覚めてから、ようやくバスローブに着替えた。
藤原航は外に出て島田香織の様子を見に行こうとしたが、浴室のドアは既に島田香織によって先に施錠されていた。
彼は浴室の中から外に向かって叫んだ。「島田香織、大丈夫か?」
藤原航は外からの反応を聞かなかったため、胸が締め付けられ、目には心配の色が満ちていた。
「島田香織、まだいるのか?」
「島田香織、私の声が聞こえたら、返事をしてくれ。」
「島田香織?」
……
藤原航の表情は次第に険しくなり、島田香織を心配して一蹴りで浴室のドアを蹴り開けた。
彼が浴室から出ると、ベッドで顔を真っ赤にして気を失っている島田香織が目に入った。
藤原航は島田香織の側に行き、彼女の鼻息を確かめ、呼吸が正常なのを見て、やっと安堵のため息をついた。
彼は慎重に手を上げて、彼女の顔の乱れた髪を払いのけ、その小さな顔を露わにした。
彼は貪るように島田香織を見つめた。彼女が眠っているときだけ、こんなにも大胆に彼女を見つめることができた。
彼の視線は最後にその赤い唇に落ち着き、澄んだ瞳が次第に欲望に染まっていった。藤原航は思わず頭を下げて彼女にキスをした。
ほんの軽いキスだけで、彼は後ろめたさを感じて急いでその場を離れた。
藤原航は近くのソファに座り、耳先が赤くなっていた。
彼は後悔していた。とっくに後悔していた。
島田香織が目を覚ましたとき、既に夜が明けていた。
彼女はぼんやりと目を開け、周りを不思議そうに見回した。ここは彼女の寝室ではなかった。
彼女はいつここに来たのか、まったく覚えていなかった。
島田香織はまだ頭が激しく痛み、こめかみを揉みながら起き上がると、ふと目がソファで寝ているバスローブ姿の藤原航に留まった。
彼女がベッドから降りようとした瞬間、眠っていたはずの藤原航が目を開け、島田香織を見た時、黒い瞳が微かに震えた。