216 徹底調査

奈奈さんと林楠見の二人が一緒に話題を抑えようとしても、藤原航と島田香織が個室で昔の恋が再燃したという噂は収まらなかった。

陣内美念は急いで島田香織の家に駆けつけ、ソファーに腰を下ろすと、いらだたしげに言った。「島田家と藤原家に手を出すなんて、きっとあなたたちに恨みを持つ家だわ!」

陣内美念は泣きたい気持ちだった。陸田健児を巻き込んでいれば、島田香織と陸田健児が急接近して、そのまま付き合うことになったかもしれないのに。

藤原航を巻き込むなんて?

本当に気分が悪くなる!

島田香織は陣内美念の言葉に強く同意した。「私に恨みを持っているのかもしれないわ!」

島田香織が最も不思議に思っていたのは、藤原航が藤原家から連れ出されたことだった。

藤原おじいさんは彼女の重要な容疑者だったが、島田香織には確実な証拠がなかった。

「香織、気をつけないとね。その人があなたに他の企みを持っているかもしれないわ」と陣内美念は心配そうに言った。

以前、島田根治が島田香織の身分を公表したがらなかったのは、誰かが島田香織を狙うことを心配していたからだった。

「お願いがあるんだけど」と島田香織は陣内美念を見つめた。

陣内美念はそれを聞いて、顔が一瞬暗くなり、口をとがらせて不満そうに言った。「香織、何よそれ。私たち、そんな他人行儀な頼み方しなくてもいいでしょう?」

島田香織はソファーにだらしなく座り、眉をひそめながら言った。「今回の話題は簡単には収まらないわ」

藤原家の若き当主と島田家のお嬢様、このような話題性は特に大きな価値があり、多くの人々が金儲けのために、SNSで話題を作り、動画を作り続けていた。

一般の人々は、ゴシップを楽しむ心持ちで、興奮した様子で見守っていた。

「背後で黒い手を回している人物を調べてほしいの」と島田香織は言い、目を伏せながら続けた。「特に藤原おじいさんを重点的に」

陣内美念は一瞬驚き、突然目を輝かせて島田香織の前に寄り、「あなた、もう容疑者が分かってるの?」

島田香織はテーブルの上のワイングラスを手に取り、一口すすった後、グラスを脇に置いて言った。「確実だとは言っていないわ。ただ疑っているだけよ」

陣内美念は携帯を取り出し、部下にメッセージを送った後、携帯を脇に置き、顔を向けて島田香織に尋ねた。「明日、高校の同窓会に行かない?」