226 6人のスポンサー

もう遅い時間で、病院には人影もまばらだった。

藤原航は車を運転しながら、写真に写っていた島田香織と陸田健児が楽しそうに話している様子を思い出し、胸の中に不快感が広がった。

車を止めた時、気づけば島田香織のマンションの前に停まっていた。

島田香織に言いたいことが山ほどあったが、突然、見覚えのある車が横を通り過ぎ、半開きの窓から中に座っているのが陸田健児だと分かった。

その時、島田香織はロイヤルホテルの1階でゆっくりとワインを飲んでいた。

島田香織という人は、恨みを必ず返す性格で、今日は一日中撮影をしていて、やっと時間ができたところだった。

奈奈さんはスーツ姿で優雅にエレベーターから出てきて、島田香織の側まで歩いてきた。

「島田お嬢様」奈奈さんは島田香織の横に立ち、恭しく声をかけた。