島田香織は最初にペンダントを切り取ろうと思ったが、はさみをペンダントに近づけるたびに、忍びなくなった。結局、ペンダントには何の罪もない、悪いのは藤原航だ。
藤原航は島田香織の言葉を聞いて、まぶたを少し伏せ、瞳の中の笑みを隠した。
彼は前にわざとネックレスを壊したのは、島田香織にずっとペンダントをつけていてほしかったからだ。ただし、今は島田香織の前でそれを直接言えない。「何を言っているのか分からないけど、外すの手伝おうか?」
藤原航に外してもらう?
島田香織は冷たい目で藤原航を見た。彼に近づく機会を与えるつもりはない。後で陣内美念に外してもらえばいい。「結構です」
藤原航は島田香織にお花のお茶を注ぎ、彼女の前に差し出した。「胃に良いよ」
島田香織は携帯を取り出してゲームを始めた。藤原航の言葉は、まるで耳に入らないかのように無視した。