「お姉様、この件は必ず内密にして、誰にも気付かれないようにしないと」林桃子は不安そうに林杏の腕を引っ張りながら言った。
「安心して。今回は他の人に話させるから、絶対に私たちには及ばないわ」林杏は林桃子の手を取り、真剣な面持ちで言った。「この件は藤原家と島田家の両家に関わることだから、私にそんな度胸はないわ」
林桃子はようやく安堵の息をつき、「お姉様、この間本当にありがとうございました。お姉様の助けがなければ、どうすればよかったか分からなかったです」と言った。
「私たちは姉妹じゃない。遠慮することないでしょう?」林杏は林桃子を見つめながら笑い、目を輝かせて冗談めかして言った。「これからあなたは藤原家の次男夫人になるのだから、今度は私があなたを頼ることになるわね」