島田香織の妊娠について、陣内美念が疑っているだけでなく、島田根治夫妻も聞いて驚愕していた。
彼らは当然、香織の人柄を信じていたが、奈奈さんに確認したところ、香織はその夜一晩中帰宅していなかったことが分かった。
その夜、香織と藤原航は同じ部屋にいた。誰かが香織と藤原航を罠にかけたことは分かっていたが、その夜何かが起きたとしても不思議ではなかった。
ただ、彼らが最も心配していたのは、香織がまた藤原航に恋をしてしまうことだった。
娘はどこも良いのだが、目が少し悪い。本当に藤原航を好きになってしまったら、藤原家に入ってから、将来際限のない面倒が起きるのではないかと心配だった。
島田根治と江田景の二人は今、心配のあまり混乱し、いつもの冷静さを完全に失っていた。
しかし、二人とも香織を傷つけたくなかったため、長い間悩んだ末、結局江田景が電話をかけることにした。