藤原おじいさんは藤原航の顔色が良くないのを見て、彼も島田香織に腹を立てているのだと思い、口を開いた。「島田根治がメディアに話したことは知っているだろう。もし私の推測が間違っていなければ、昨夜の結婚式は島田家が我々藤原家に仕掛けた罠で、我々藤原家の面目を潰すためだったんだ!」
藤原おじいさんは茶碗を手に取って一口飲み、また置き直すと、「航、お前が島田香織のことを好きなのは分かっている。だが今は個人的な感情は脇に置かなければならない」と言った。
藤原航は藤原おじいさんの言葉を聞きながら、軽く目を上げた。
「島田香織は今、我々藤原家の面目を傷つけている。この件は、私は決して許すわけにはいかない。お前を呼んだのは、島田家にどう対抗するつもりかを聞きたかったからだ」藤原おじいさんは目を離さずに藤原航を見つめた。