303 トレンド入り

人肉の枕がここにあるのに、彼女はどうして良くないと言えるだろうか?

喉が渇いて目が覚めなかったら、きっと朝まで寝てしまっていただろう。

そうなったら、人が多くなって、陸田健児にどう向き合えばいいのかわからなくなってしまう。

「まだ熱はありますか?」島田香織は急いで話題を変えた。これ以上気まずい思いはしたくなかった。

「わからないんです」陸田健児はそう言いながら、熱心に島田香織を見つめた。

島田香織は最初理解できず、驚いて陸田健児を見たが、すぐに彼の言葉の意味を理解した。

彼は彼女に熱があるかどうか確認してもらいたかったのだろうか?

島田香織が何か言おうとした時、陸田健児は既に彼女の手を取り、彼女の手の甲を自分の額に当てていた。

島田香織は思わず耳が赤くなり、急いで手を引っ込めた。「もう熱は下がっていますね。お水が欲しいですか?」

「はい」陸田健児は島田香織から目を離さず、マスクの下で思わず口角が上がった。

「少々お待ちください」島田香織は魔法瓶を持って出て行った。

島田香織はぬるま湯を汲んで戻り、陸田健児にコップ一杯注ぎ、自分にも一杯注いだ。

二人は水を飲んでから、その場を離れた。

島田香織は本来なら陸田健児を家まで送ろうと思ったが、彼の家はここから1時間以上かかるため、仕方なく彼を自宅に連れて帰り、早めに休ませることにした。

島田香織はゲストルームのドアを開け、言った。「ゲストルームの物は全て新品です。今夜はここで我慢してください。明日、秘書の方に迎えに来てもらいましょう」

陸田健児はドア口に立ち、ずっと島田香織の顔を見つめながら笑って言った。「香織、今日はありがとう。もう休んでください!」

島田香織は思わずあくびをし、眠気で目に涙が浮かんでいたが、気力を振り絞って言った。「陸田若様、お気遣いありがとうございます。私も助けていただきましたから。では、お早めにお休みください。私も寝ます」

島田香織はそう言って、自室へ戻った。

陸田健児はその場に立ち、島田香織の去っていく後ろ姿を見つめ、彼女が主寝室に入るのを確認してから、東山光にメッセージを送った。

東山光は朦朧と眠っていたが、携帯の着信音で目を覚まし、メッセージを確認した。

メッセージは陸田健児からで、東山光は完全に目が覚め、急いで起き上がり、内容を三回も読み返した。