302 眠りについた

島田香織は、こんな風に不思議と彼氏ができてしまい、説明しようとした時には、看護師はもう行ってしまっていた。

島田香織は眉をひそめながら、隣に座っている陸田健児を見て、でたらめを言わないように注意しようとしたが、その美しい桃色の瞳と目が合うと、何を言えばいいのか分からなくなってしまった。

島田香織は仕方なく溜息をつき、患者と言い争っても仕方ないと思い、水筒を取り出して陸田健児に渡した。「まず薬を飲んでください」

陸田健児が薬を飲み終わった後、島田香織はそこに座って考えた。最初は陸田健児の友人に来てもらおうと思ったが、すぐに終わることを考えると、自分で付き添って点滴を終わらせることにした。

普段なら、この時間帯には島田香織は寝ているはずだった。彼女は椅子に寄りかかり、うとうとし始めた。