327 阻止

「もういいから、行きなさい!」藤原おじいさんの顔に笑みが浮かんだ。

藤原昭子は完璧に計画を立てていたが、まさか客間から荷物を引きずって出たところで、島田香織が人を連れて入ってくるとは思いもしなかった。

藤原執事は島田香織と陸田健児が四人の男を連れて入ってくるのを見て、驚いて尋ねた。「島田お嬢様、これは一体...」

島田香織の視線は藤原執事を通り過ぎ、最後にスーツケースを引く藤原昭子の顔に落ち着いた。

藤原執事は彼女の視線の先を追い、胸に不吉な予感が走った。

「別に、ただ藤原さんとゆっくり話がしたいだけよ!」島田香織は藤原昭子に向かって歩き出し、全身から冷たい雰囲気を漂わせていた。

藤原昭子は島田香織を見た瞬間、両足が硬直して動けなくなり、手のひらは冷や汗でびっしょりだった。