335 容赦はしない

島田香織は夏川未子を片付けた後、ティッシュを取り出して手を拭き、個室から出ていった。

陣内美念は個室内の他の人々を一瞥し、冷たく言った。「あなたたち、以前やったことを香織が忘れたと思っているの?それは香織が寛容で、あなたたちと争いたくないだけよ。もしあなたたちがどうしても争うというなら、香織はきっと喜んで全部清算するわ!」

島田香織は藤原航の傍を通り過ぎる時、彼を一目も見なかった。

藤原航は眉を動かし、入り口に立っている林楠見を振り返って、落ち着いて言った。「残りの処理は全部任せた!」

「はい」と林楠見は答えた。

藤原航は言い終わると香織の後を追った。香織の歩みは速くなく、彼は数歩で追いついた。

陣内美念は藤原航が来るのを見て、目を回し、嫌そうな顔で言った。「藤原社長、あなたって本当にしつこいわね。どうやっても振り払えないなんて!」