347 薬を塗る

陸田健児は眉をひそめ、何も言わずに元の場所に戻った。

その時、病室の入り口に二人のハンサムで背の高い男性が立っており、通りがかりの人々の注目を集めていた。

陸田健児は藤原航の顔に視線を向け、二人だけが聞こえる声で言った。「藤原社長、あなたは厚かましすぎます。島田さんがあなたを好きじゃないことを知っているのに、毎日彼女の前に現れて。」

藤原航は冷ややかに陸田健児を見て、尋ねた。「そんなことを言う資格が、お前にあるのか?」

陸田健児は唇を軽く噛み、反論しようとした時、藤原航が口を開いた。

「竜組のことを知っているか?」藤原航はそう言いながら、陸田健児の目をじっと見つめた。

陸田健児は平然と藤原航を見つめ、眉をひそめて「何を言っているんだ?」と言った。

藤原航は納得したように視線を外し、もう何も言わなかった。