353 失業した

林楠見は島田香織が藤原航に凍傷薬を塗ってあげた時のことを思い出し、少し困ったように溜息をついた。

藤原社長のような優秀な人が、なぜこんなに恋愛に苦労するのだろう?

林楠見は困ったように溜息をつき、誘拐犯から島田お嬢様を救い出した後、彼女が自傷行為をした時のことを思い出した。その時、島田お嬢様は血まみれの藤原社長を抱きしめて、ヒステリックに泣いていた。

林楠見は目が赤くなり、うつむいて外に向かって歩き出した。今はこんなことを考えている場合ではない。藤原社長が立ち直るまでに、あの組織を何としても捕まえなければならない。

島田香織は最近仕事をしておらず、会社の方は奈奈さんがいるので、自分に休暇を与えて、しばらく家で休むことにした。

彼女は最近ゲームにはまっていて、一試合終わった後、陣内美念から多くのメッセージが来ていることに気付いた。