371 大いなる恥辱

島田香織は藤原航の隣に立ち、目を見開いて一瞬驚いたが、すぐに我に返った。彼女は隣に立つ藤原航の方を向いた。

藤原航がこんな風に人前で面子を潰すとは思ってもみなかった。

こんな藤原航を、彼女は全く知らなかった。

島田香織は視線を戻した。藤原航に対して好奇心を抱くべきではなかった。

鈴木成一の顔は怒りで青白くなった。反論したかったが、島田香織がいる手前、何も言えず、苦笑いしながら言った。「藤原さん、誤解されているようです。招待状は用意してありましたが、部下の不手際で届かなかったようです。」

鈴木成一のこの言い訳は、子供でさえ信じないだろう。

まして島田香織と藤原航なら尚更だ。

島田香織は呆れて笑った。鈴木成一が彼女と藤原航を馬鹿にしているのは明らかだった。鈴木成一の言葉に乗って言った。「鈴木家の人間は本当にろくでもないわね。そんな簡単なことすらできないなんて、ふん。」