379 彼女の好きな味

島田香織はスプーンでミルク入りオートミールを混ぜながら、一口を口に運びました。甘くてもちもちした味が口の中に広がり、まさに彼女の大好きな味でした。

島田香織は箸を取り、小籠包を一つ口に入れると、目元に笑みが浮かびました。

「この小籠包、本当に美味しいわ」島田香織は藤原航を見つめながら、優しく言いました。

「ふーん?」藤原航は表情こそ変わりませんでしたが、目には笑みを湛えていました。彼は島田香織から目を離さずに見つめていました。

島田香織は頷いて、「私の大好きな味よ」と言いました。

「一階にいつから小籠包を売ってるお店があったの?今まで見たことなかったわ。どこのお店?今度自分で買いに行こうかしら」島田香織は藤原航から目を離さず、落ち着いた様子で言いました。

「じゃあ、今度作ってあげるよ」