第41章 避けられない見合い1

鈴木紀子はネックレスを受け取って身に着け、興奮して二つのアクセサリーボックスを取り出した。

「手を出して」

工藤みやびと西村千晴は顔を見合わせ、それぞれ左手を差し出した。

鈴木紀子はアクセサリーボックスを開け、二人にブレスレットを一つずつ付けてあげた。デザインは自分のものとまったく同じだった。

「ほら、全部同じよ。わざわざいとこのお兄ちゃんに買ってきてもらったの」

工藤みやびは手首を見て、異国情緒あふれるブレスレットに微笑んだ。

「ありがとう、とても素敵」

西村千晴は手首を振りながら、「ありがと、でも今はお返しできないわ」

「お返しなんていらないわ、これは私たちの友情の証なんだから」

鈴木紀子は片手を工藤みやびの肩に、もう片方を西村千晴の肩に置いた。

「さあ、服を着替えましょ。今日は超絶イケメンのいとこを紹介してあげるわ」

「なんで着替えなきゃいけないの?お見合いに行くわけじゃないでしょ」西村千晴は文句を言った。

工藤みやびはうなずいた。「私、出かける前に着替えたばかりよ」

「今日はいとこのクラブのオープニングなの。ちょっとセレブな場所だから、私たちもセレブっぽく着飾らないと」鈴木紀子はそう言いながら、二人のために選んでおいたドレスを取り出した。

「こんな可愛い服着るの?」西村千晴は手に持ったピンクと水色の甘いワンピースを見て、頭に黒線が走った。

「仕方ないわ、うちにはこういうスタイルしかないの。他のを選びたければどうぞ」鈴木紀子は言い終わると、自分のクローゼットを開けた。

様々なピンク色の、可愛らしい服やドレスを見て、西村千晴は選ぶのを諦めた。

「もういいわ、これにする」

工藤みやびは髪を乾かし、鈴木紀子が用意したドレスに着替えた。

「神様、また嫁にほしいわ」

鈴木紀子は彼女が着替えて出てくるのを見て、目を輝かせた。

「それは来世で男に生まれ変わってからにして」工藤みやびは笑った。

「このドレス、母が買ってくれたんだけど、私は背が足りなくて似合わないの。でもあなたが着ると本当に綺麗で、清純で可愛くて仙女みたい」

鈴木紀子は彼女の周りをぐるぐる回りながら興奮して言った。

ちょうどそのとき、ベッドの上の携帯が鳴り出した。彼女は飛び跳ねて電話に出た。

「もしもし、いとこ?」

「うん、あと2時間もあれば出発できるわ」