鈴木紀子はネックレスを受け取って身に着け、興奮して二つのアクセサリーボックスを取り出した。
「手を出して」
工藤みやびと西村千晴は顔を見合わせ、それぞれ左手を差し出した。
鈴木紀子はアクセサリーボックスを開け、二人にブレスレットを一つずつ付けてあげた。デザインは自分のものとまったく同じだった。
「ほら、全部同じよ。わざわざいとこのお兄ちゃんに買ってきてもらったの」
工藤みやびは手首を見て、異国情緒あふれるブレスレットに微笑んだ。
「ありがとう、とても素敵」
西村千晴は手首を振りながら、「ありがと、でも今はお返しできないわ」
「お返しなんていらないわ、これは私たちの友情の証なんだから」
鈴木紀子は片手を工藤みやびの肩に、もう片方を西村千晴の肩に置いた。
「さあ、服を着替えましょ。今日は超絶イケメンのいとこを紹介してあげるわ」
「なんで着替えなきゃいけないの?お見合いに行くわけじゃないでしょ」西村千晴は文句を言った。
工藤みやびはうなずいた。「私、出かける前に着替えたばかりよ」
「今日はいとこのクラブのオープニングなの。ちょっとセレブな場所だから、私たちもセレブっぽく着飾らないと」鈴木紀子はそう言いながら、二人のために選んでおいたドレスを取り出した。
「こんな可愛い服着るの?」西村千晴は手に持ったピンクと水色の甘いワンピースを見て、頭に黒線が走った。
「仕方ないわ、うちにはこういうスタイルしかないの。他のを選びたければどうぞ」鈴木紀子は言い終わると、自分のクローゼットを開けた。
様々なピンク色の、可愛らしい服やドレスを見て、西村千晴は選ぶのを諦めた。
「もういいわ、これにする」
工藤みやびは髪を乾かし、鈴木紀子が用意したドレスに着替えた。
「神様、また嫁にほしいわ」
鈴木紀子は彼女が着替えて出てくるのを見て、目を輝かせた。
「それは来世で男に生まれ変わってからにして」工藤みやびは笑った。
「このドレス、母が買ってくれたんだけど、私は背が足りなくて似合わないの。でもあなたが着ると本当に綺麗で、清純で可愛くて仙女みたい」
鈴木紀子は彼女の周りをぐるぐる回りながら興奮して言った。
ちょうどそのとき、ベッドの上の携帯が鳴り出した。彼女は飛び跳ねて電話に出た。
「もしもし、いとこ?」
「うん、あと2時間もあれば出発できるわ」