第43章 これはMGの限定版です

工藤みやびは優雅にケーキを一口すくい上げた。甘さが絶妙で、フランスのミシュラン三つ星シェフが作ったものに違いない。

大島蓮美は彼女が自分を無視していることに気づき、冷たく鼻を鳴らした。

「藤崎雪哉のベッドに上がったからって、藤崎家に入れると思ってるの?男にすがってここに来たからって、あなたが上流階級の人間だということにはならないわ」

工藤みやびはフルーツジュースを持ち上げて軽く一口飲み、静かに言った。

「私が上流かどうかは分からないけど、丸山夫人、あなたの言葉遣いは下品ね」

名門出身の奥様なら、特にこのような場でそんな意地悪な言い方はしないものだ。

「誰を侮辱してるの?」大島蓮美は顔を曇らせて叫んだ。

工藤みやびは眉を上げて軽く笑った。「私があなたを侮辱した?」