しらゆりマンション、30分後、マンションのドアが鳴った。
工藤みやびはキッチンで魚介類と魚を処理していたが、ドアの音を聞いて、魚の鱗を削る包丁が手に滑った。
指は瞬時に切り裂かれ、鮮血が一気に噴き出した。
彼女は唇を噛み、黙ってティッシュを取り出して傷口を包んだ。
藤崎雪哉が入ってきて、最初に見たのはキッチンだった。
彼女が手を押さえているのを見て、すぐに救急箱を見つけて持ってきて、彼女の前に立って尋ねた。
「どっちの手?」
工藤みやびはしばらく躊躇した。「自分で包帯できるわ」
藤崎雪哉はすでに絆創膏を取り出していた。「出して」
工藤みやびは仕方なく手を差し出し、彼に傷口に絆創膏を貼らせた。
リビングで休んでいた藤崎お婆様は、キッチンの方向を信じられない目で見ていた。