第64章 荒木雅は何かバックがあるのか

「先に食べていて、私は書斎で電話を受けてくるわ。」

中山美琴は顔を少し冷たくして、携帯を手に取り立ち上がって階段を上がった。

階上に着くと、書斎のドアを鍵をかけてから、山本守の電話に出て尋ねた。「あの生意気な女の子を見つけたの?」

「まだ見つかっていません。」山本守は悪意のある笑みを浮かべて言った。「それとも...会って詳しく話し合いましょうか。」

彼も若くてみずみずしい女の子が好きだったが、たまには他人の妻と寝るのも刺激的だと感じていた。

特に、中山美琴は体型が良く維持されており、彼女が情熱的になると、経験のない若い女の子よりもずっと魅力的だった。

「私たちには会う必要なんてないわ!」中山美琴は彼の言葉の意味を察し、怒りで体が震えた。

「竹内奥様、一夜の夫婦でも百日の恩があるというじゃないですか。私たちは本当の夫婦ではありませんが、少なくとも一夜の露の縁の夫婦でしたよね...」山本守はにやにやと笑い、言葉の端々に遠慮のない軽薄さを漂わせた。

「山本守、あの生意気な女の子を早く捕まえた方がいいわよ。そうしないと私たちどちらにとっても良くないことになるわ!」中山美琴は吐き気を催すほど不快だったが、荒木雅がまだ見つかっていないため、我慢して彼との交渉を続けるしかなかった。

「何を恐れているんですか?竹内家が発見したとしても、私と一緒の方が竹内家成よりもいいんじゃないですか?」山本守の言葉は相変わらず軽薄だった。

「山本社長、もしあなたの奥さんや義父があなたのこういった行為を知ったら、あなたはまだ天盛にいられると思う?」中山美琴は歯を食いしばって警告した。「私が苦しむなら、あなたも楽な思いはさせないわ。」

山本守は彼女が自分の弱みを持ち出したのを聞いて、ようやく少し態度を改めた。

彼が天盛でこの地位に就けたのは、天盛の社長の娘と結婚したからであり、もし事が大きくなれば、彼の良い日々も終わりを迎えることになる。

「不思議なことに、私はあの小娘を探すために何人も派遣しましたが、彼女を見つけられないどころか、派遣した人間は仕事を辞めるか、失踪してしまうんです。」山本守はしばらく考えてから尋ねた。「あの小娘、何か後ろ盾でもあるんじゃないですか?」