第83章 とことん遊んであげる2

坊主の健さんは横目で、色心を起こした数人の部下を見た。

「何を急いでいる、正式な仕事が終わったら、彼女はお前たちのものだ」

工藤みやびは平然とした顔で、冷たい声で言った。「本題に入る前に、彼女たち二人を解放することをお勧めします。結局のところ、服部家の人間がここで何か不測の事態に遭えば、あなたも私も説明に困るでしょう」

「服部家の人間？」坊主の健さんはそれを聞くと、顔色が一変した。

「人を誘拐する前に、誰を誘拐しているのか調べないのですか？」工藤みやびは冷ややかに笑い、言った。「服部参謀長と服部部長の姪、彼女を誘拐するとは、本当に勇気がありますね」

坊主の健さんは縛られている鈴木紀子と西村千晴を見た。さっきのあの生意気な女の子は、確かに服部部長が彼女の叔父で、父親は特殊部隊の隊長だとか何とか叫んでいた。

「信じないなら、彼女のスマホのアルバムを開いて見てください」工藤みやびは促した。

当面の急務は、まず鈴木紀子と西村千晴を危険から脱出させることだった。鈴木紀子の身分なら、これらの人間も目に余るようなことはしないだろう。

坊主の健さんは鈴木紀子のスマホを取り、中のアルバムをめくると、確かに服部家の人々の写真が見つかった。

服部家の人間なら、もちろん彼らには手が出せない。しかし、どうせ彼らの標的はこの二人ではなかった。

「この二人を解放しろ」

鈴木紀子と西村千晴は縄が解かれるとすぐに工藤みやびの側に駆け寄り、彼女を引っ張って言った。

「みやび、行こう！」

「お前たちは行っていいが、彼女は...残らなければならない」二人が道を塞ぎ、工藤みやびを指さして言った。

工藤みやびは手を伸ばして体の泥や灰を払いながら言った。「外で待っていて」

「だめ、行くなら一緒に行く」西村千晴は彼女をつかみ、断固として言った。

彼女が一人で彼女たちを救いに来たのだから、彼女たちもそんな義理知らずではいられない、彼女一人を置いて逃げるわけにはいかない。

「あなたが行かないなら、私たちも行かない」鈴木紀子はそう言いながら、鷹が雛を守るように彼女の前に立ちはだかり、坊主の健さん一行に向かって言った。

「彼女は私のいとこの婚約者で、つまり叔父の未来の義理の娘よ。彼女に手を出したら、どうなるか試してみる？」