第81章 鈴木紀子と西村千晴が誘拐される

今井律は彼女の行く手を阻み、表情は冷たかった。

「荒木雅、俺をなんだと思ってる?気が向いたら遊んで、気が向かなくなったら蹴り捨てるおもちゃか?」

工藤みやびは眉をひそめ、反問した。「そう、あの手紙は確かに書いたわ。でも中学3年の時に書いたのに、あなたが高校3年になってから突然彼氏面するなんて、おかしくない?」

「俺には理由がある。別れるなんて認めない」と今井律は言った。

彼は家族との約束で、大学に入るまで恋愛はしないことになっていた。さもなければ家族の決めた全てに従わなければならなかった。

彼は彼女がずっと待っていてくれると思っていたが、あの交通事故の後、彼女は彼の世界から完全に消えてしまった。

やっと今日彼女に会えたのに、彼女は他の男を好きになったと告げた。

「ねえ、どうしてあなたは人の話を聞かないの?」工藤みやびは少し怒り始めた。