第109章 彼女の宿題を手伝いたい

早朝、藤崎雪哉はいつものように早起きし、ダイニングでコーヒーを飲みながら朝刊を読んでいた。

工藤みやびは洗面を済ませ、彼女もダイニングに入って座った。

「おはよう」

藤崎雪哉は新聞を畳んで脇に置き、やっと彼女と一緒に朝食を食べ始めた。

「午後もクラスメイトの家に行くの?」

工藤みやびは頷き、温かい牛乳を持ち上げて一口飲んだ。

「うん、彼女たちはあと数日で試験だから、ピアノの練習に付き合わないと。結局、レッスン料をもらってるし」

「終わったら電話して」藤崎雪哉は言い含めた。

工藤みやびは少し驚いて、「何かあるの?」

昨日の会議が今日に延期されたんじゃなかったっけ?今日は忙しいはずでは?

藤崎雪哉は手を伸ばして彼女の唇の上の牛乳の跡を拭い、薄い唇が少し上がった。

「デート」