怪我をした学生は保健室に行って包帯を巻き、工藤みやびと他の数人の女子学生は教導室に呼ばれた。
吉田金太は事情も聞かずに、いきなり彼女を叱りつけた。
「荒木雅、学校は勉強する場所であって、人と喧嘩したり殴り合ったりする場所ではない。」
「今度は刃物で人を傷つけたとは、すぐに保護者を呼びなさい。」
……
「その刃物は私のものではないし、人を傷つけたのも私ではない。」工藤みやびは冷たい表情で言った。
金髪の女子学生と数人の仲間たちは口を揃えて言った。
「明らかにあなたでしょ、認めないの?田中晶の彼氏を奪っただけでなく、人まで殴るなんて。」
「私一人であなたたち八人を殴ったって?随分と私を買いかぶってるわね。」工藤みやびは冷笑した。
「吉田主任、殴ったのは荒木雅です。さっき山内三琴が先生を探しに行った時、私はずっと近くで見ていました。」山内三琴と一緒にいた女子学生の一人が前に出て指摘した。