案の定、午後の放課後、工藤みやびが校門を出る前に、金髪の女子が仲間を連れて彼女を取り囲んだ。
「放課後に行くなって言ったのに、何で逃げるの?」
鈴木紀子と西村千晴は来意が善くないことを察し、互いに目を交わして尋ねた。
「みやび、この子たち誰?」
しかし、前回の誘拐事件で荒木雅の戦闘力を知った彼女たちは、まったく心配していなかった。
「知らない」と工藤みやびは答えた。
「あなたは私を知らないかもしれないけど、5組の村上遥は知ってるでしょ。私の妹のボーイフレンドを誘惑するなんて、恥ずかしくないの?」金髪の女子は恐ろしい形相で冷笑した。
西村千晴はしばらく考えてから、小声で言った。
「思い出した。あなたが捨てろって言ったラブレターの中に、村上遥が書いたのもあったわ」
学校の男子が毎日荒木雅の机に入れる手紙はたくさんあったが、彼女は一通も読んだことがなかった。どうして彼氏を奪うなんてことがあるだろうか。