第136章 この顔は写真映りが良すぎる

工藤みやびはしばらく呆然としていた。しばらくして、彼女が言っていた子遠兄さんが誰なのかを思い出した。

荒木隆成が生きていた頃、荒木雅のために幼馴染の婚約を結んでいた。

相手は彼女より5歳年上の小沢子遠、つまり小沢子晴の実の兄だった。

しかし、去年の初めに、小沢子遠は竹内薫乃の魅力に屈し、彼女との婚約を断固として解消し、竹内薫乃と付き合うようになった。

竹内薫乃が出演した最初のテレビドラマは、小沢子遠が彼女の夢を叶えるために投資したものだった。

その後、小沢子遠は亜蘭国に行って支社の事業を発展させていたが、今年の小沢家の大旦那様の誕生日には、きっと帰ってくるだろう。

竹内薫乃が彼女にこれらのことを話すのは、彼女から奪った男を自慢するためにすぎなかった。

小沢家は日本帝都にあり、藤崎家のような超一流の名家には及ばないものの、名門と言えるだろう。